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産後の骨盤はゆがみやゆるみが生じやすくなります。理由は出産するために、ホルモンで骨盤周りの靭帯を緩め、骨盤を開きやすいようにしているからです。産後は、出産でゆるんだ骨盤を元に戻そうとしますが、うまく戻らないこともあり、それが原因で恥骨痛、尾骶骨痛、腰痛、子宮脱、排尿障害が起こることもあります。

出産後1〜2日は、多くの人が幸せな気持ちに包まれることが一般的です。しかし、中には出産から2〜3日が経過すると、なぜか気分が沈んでしまい、ブルーな気分になることがあります。これが「マタニティーブルー」と呼ばれるもので、産後3日から10日ほどの期間に心の変化が起こることが知られています。この変化の一因として、女性ホルモンの急激な低下が挙げられています。
ほとんどの女性は、約10日ほどで自然に気分が回復します。特に治療が必要なことはほとんどなく、疲れや涙、焦り、食欲の低下などが感じられた場合は、それをマタニティーブルーの影響と認識することが重要です。楽しいことを見つけたり、赤ちゃんの世話をお父さんや周囲の人に頼んだりすることで、気分の落ち込みが通り過ぎるのを待つことが大切です。

産後には、マタニティーブルーとは異なる心の問題として「産後うつ病」があります。女性の生涯を考えると、うつ病が発症しやすい時期が二度あります。それは更年期と産後です。女性ホルモンの変化が影響する他、母親としての責任が増え、赤ちゃんへの心配が増えることで心がオーバーワークになり、充電不足に陥ることが一因です。
産後うつ病は、マタニティーブルーとは異なり、出産後約2週間から1か月以内に急に現れる特徴があります。症状としては、何をしても楽しく感じない、母親失格ではないかと不安になる、理由なく悲しみやみじめな気分になる、眠りたいのに眠れないなどが挙げられます。これらの心の症状が1週間以上続く場合は、早めに産後のケアを提供する病院や保健師、助産師などに相談することが重要です。
産後うつ病は早期発見と治療によって、通常数か月から1年で改善することが期待されます。相談をためらうことがあるかもしれませんが、「助けて」と言える受援力は子育てにおいて非常に重要です。充電期間を取り、子育てを休むことも有益であり、これは母親失格ではなく、むしろ母親としての責任感を示すものです。自治体によっては、産後の家事や育児をサポートするサービスがあり、産後デイケアや宿泊型ショートステイを利用することもできます。産後うつ病に対する支援体制が整っているため、居住地の保健師や助産師に相談することをお勧めします。